医療費控除の領収書は提出が必要?保管期間と明細書の書き方
医療費控除を受けるために確定申告をする際、病院や薬局の領収書を提出する必要があるのか、疑問に思う方もいるでしょう。現在の医療費控除では、原則として領収書を提出する代わりに「医療費控除の明細書」を作成します。ただし、領収書を保管する必要がある場合もあります。この記事では、医療費控除における領収書の扱い、保存期間、明細書の作成方法、領収書を紛失した場合の確認事項について解説します。
医療費控除で領収書の提出は必要?
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定の条件を満たす場合に、所得金額から所定の金額を差し引ける制度です。適用を受けるには、原則として確定申告が必要になります。
領収書の代わりに医療費控除の明細書を提出する
国税庁によると、医療費控除の申告では、原則として医療費の領収書を確定申告書に添付する必要はありません。
その代わり、領収書に記載された情報をもとに「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付します。
医療費控除の明細書には、医療を受けた人の氏名、医療機関や薬局の名称、支払った医療費などを記載します。領収書は、これらの情報を確認するための資料として使用します。
領収書は原則5年間保存する
医療費控除の明細書を作成した場合、その記載に使用した領収書は、原則として確定申告期限等から5年間保存する必要があります。
税務署から申告内容の確認のために、領収書の提示や提出を求められる場合があるためです。
申告が終わったからといって、すぐに領収書を処分しないようにしましょう。ただし、所定の医療費通知を利用した場合など、領収書の保存が不要となるケースもあります。
医療費控除の領収書を使った明細書の作り方
医療費控除の明細書を作成する際は、対象となる年の領収書を集め、必要な情報を整理します。
領収書から確認する項目
領収書を整理するときは、次の情報を確認すると明細書を作成しやすくなります。
- 医療費を支払った日付
- 医療を受けた人の氏名
- 病院や薬局などの支払先
- 実際に支払った金額
- 医療費の内容や区分
国税庁の医療費控除の明細書では、同じ人が同じ病院や薬局に支払った医療費をまとめて記載できます。領収書1枚ごとに記入する必要はありません。
なお、医療費控除の対象になるのは、原則としてその年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です。診療を受けた年と支払った年が異なる場合は、支払った年を確認してください。
保険金などで補てんされた金額も確認する
医療費控除の計算では、実際に支払った医療費だけでなく、生命保険や健康保険などから受け取った補てん金額も関係します。
例えば、高額療養費や入院給付金など、医療費を補てんするために受け取った金額がある場合は、所定の方法で差し引いて計算します。
領収書の金額をそのまま合計するだけでは、医療費控除額を正しく計算できない場合があるため、関連する書類も確認しましょう。
医療費通知がある場合は領収書が不要になる?
健康保険組合などの医療保険者から交付される「医療費通知」を利用すると、領収書の取り扱いが変わる場合があります。
必要事項が記載された医療費通知を利用する場合
医療費通知とは、健康保険組合などが医療機関の受診情報や医療費の額を知らせる書類です。「医療費のお知らせ」などの名称で交付されることがあります。
国税庁が定める必要事項を備えた医療費通知を確定申告書に添付する場合、その通知に記載された医療費については、明細書の記載を簡略化でき、領収書の保存も不要になります。
ただし、医療費通知に必要事項の不足がある場合や、記載内容を補完した場合などは、領収書の保存が必要になることがあります。
医療費通知に載っていない費用に注意する
医療費通知には、すべての医療費が記載されているとは限りません。通知の作成時期によっては、年末に受診した分などが含まれていない場合があります。
また、実際に支払った金額と通知に記載された金額が異なるケースもあります。
医療費通知に記載されていない医療費を申告する場合は、領収書などを確認して明細書に追加します。同じ医療費を重複して計上しないように注意しましょう。
医療費控除の領収書がない場合の対応
領収書を紛失した場合や、電子データで交付された場合は、まず支払いに関する記録を確認することが大切です。
領収書を紛失した場合
領収書が見つからない場合は、支払いを行った医療機関や薬局に問い合わせ、支払記録の確認や証明書の発行などに対応しているか確認できます。
ただし、領収書の再発行や証明書の発行に対応しているかどうかは、医療機関等によって異なります。
また、領収書がない状態で、ほかの記録を使って申告できるかについては、個別の状況によって判断が異なる場合があります。判断に迷う場合は税務署に確認してください。
オンライン診療の領収書を確認する場合
オンライン診療では、利用する医療機関やサービスによって、領収書の交付方法が異なります。
電子メールや利用者専用ページなどを通じて、領収書や支払いに関する書類が提供される場合もあります。
医療費控除の申告に備える際は、領収書の確認方法や保存方法を利用先に確認しておくとよいでしょう。
なお、オンライン診療で支払った費用がすべて医療費控除の対象になるわけではありません。対象となる費用の範囲については、国税庁が示す基準に沿って確認する必要があります。
まとめ
医療費控除では、原則として領収書そのものを確定申告書に添付する必要はなく、領収書をもとに作成した医療費控除の明細書を提出します。
一方、明細書の作成に使用した領収書は、原則として確定申告期限等から5年間保存する必要があります。所定の医療費通知を利用する場合は、領収書の保存が不要となるケースもあります。
確定申告の際は、対象期間の領収書や医療費通知を確認し、実際に支払った金額を整理しましょう。
詳しい手続きや最新の取り扱いについては、国税庁の「医療費控除に関する手続について」や「医療費を支払ったとき(医療費控除)」で確認できます。





















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